📅 最終更新:2026年4月7日
退職手続き完全ガイド【2026年版】
流れ・退職届の書き方・保険切り替えまで初心者向けに解説
「退職したいけど何から始めればいい?」という方のために、退職の伝え方から退職届の書き方・有給消化・社会保険の切り替え・失業給付の受け取り方まで、退職時にやることを全てわかりやすく解説します。
📖 読了時間:約8分
🎯 対象:退職・転職を考えている方
📋 チェックリスト付き
💡
この記事でわかること:退職の切り出し方・退職届の書き方テンプレート・有給消化の進め方・健康保険・年金の手続き・失業給付の申請方法・退職後の転職活動の進め方。
1. 退職手続きの全体の流れ
退職から入社まで、順を追って確認しましょう。転職先が決まっている場合は入社日を基準に逆算するのがポイントです。
転職先の内定・入社日を確定する 前提
退職交渉前に転職先の入社日を確認し、退職日の目安を決めます。入社日は余裕を持って(1〜2ヶ月後)設定してもらいましょう。在職中から始めると精神的余裕が生まれます。
直属の上司に退職の意思を伝える 退職日の1〜2ヶ月前
最初に伝える相手は必ず直属の上司。人事や同僚に先に話すのはマナー違反です。メールではなく対面または電話で伝えましょう。
退職届を提出する 会社のルールに従う
上司への口頭報告後、会社指定の書類または白紙に退職届を作成して提出します。退職日・氏名・提出日を正確に記載し、自筆署名が基本です。
業務の引き継ぎ 退職日まで
担当業務のマニュアル作成・後任者への説明・取引先への挨拶を行います。引き継ぎが不十分だと印象が悪くなるため、余裕を持って計画しましょう。
有給休暇の消化 退職日の前
残っている有給を計画的に消化します。引き継ぎ完了後に取得するのが理想。会社は正当な理由なく有給を拒否できません(労働基準法)。
退職日当日:会社備品の返却 退職日
社員証・健康保険証・PC・会社の携帯・名刺などを返却します。離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証の発行を確認してください。
社会保険・年金の切り替え手続き 退職後14日以内
健康保険と年金を切り替えます。期限を過ぎると無保険期間が生まれるため、退職日翌日からの空白を作らないよう速やかに手続きします。
ハローワークで失業給付の申請 離職後できるだけ早く
転職先が決まっていない場合、ハローワークに離職票を持参して失業給付を申請します。自己都合退職の場合は2〜3ヶ月の給付制限期間があります。
2. 退職の伝え方・タイミング
退職の切り出し方は後の手続きを左右します。伝える順番とタイミングを間違えないようにしましょう。
退職を伝える順番
- 直属の上司(1対1で面談を申し込む)── 最初に伝える相手は必ずここ
- 上司から人事部・経営層へ報告(上司に任せる)
- 同僚・チームメンバーへ挨拶(退職日が決まってから)
- 取引先・社外の関係者へ挨拶(退職日の1〜2週間前)
⚠️
NGな伝え方:「同僚にこっそり話した」「SNSで先に書いた」「メールのみで退職を伝えた」。これらはトラブルの原因になります。退職意思は必ず上司へ対面で最初に伝えましょう。
引き止め・慰留への対応方法
上司から「給与を上げる」「部署を変える」と引き止められることがありますが、一度決めた意思はぶれないことが重要です。
推奨の返答:「お気持ちはありがたいですが、今回の決断は慎重に考えた結果です。ご迷惑をおかけしますが、◯月◯日付での退職をお願いしたいと思います。」
※ 民法627条により、退職の意思表示から2週間後には退職できます。就業規則が1ヶ月前と定めていても、合理的な引き継ぎが完了していれば問題になりにくいです。
3. 退職届・退職願の書き方
退職願(お願い)
会社に退職を「お願いする」書類。会社が受理すれば成立。引き止め交渉の余地がある段階で提出する場合に使用。
退職届(通告)
会社への一方的な退職の「通告」。提出後は撤回が難しい。上司と退職日に合意した後に提出するのが一般的。
退職届のテンプレート(縦書き・手書き)
退 職 届
私儀、一身上の都合により、
令和○年○月○日をもって退職いたしたく、
ここにお届け申し上げます。
令和○年○月○日
氏名(自筆署名) ㊞
会社名 御中
代表取締役社長 氏名 殿
📝
書き方のポイント:①退職理由は「一身上の都合」でOK(転職先を伝える必要はない)②退職日は「◯月◯日付」と正確に記載③自筆署名が基本(PCで作成した場合も署名は手書き)④封筒に入れて「退職届」と表書きして直属の上司へ手渡し
4. 業務の引き継ぎ
引き継ぎを丁寧に行うことは、最後の仕事への誠実さを示すと同時に、会社・同僚との良好な関係を保つために不可欠です。
引き継ぎ書類の基本構成
- 担当業務の一覧(業務名・頻度・工数・優先度)
- 各業務の手順書・マニュアル(スクリーンショット付きが理想)
- 使用しているシステム・ツール・アカウント情報の一覧
- 取引先・関係者の連絡先と関係性の説明
- 進行中のプロジェクト状況と今後の課題・注意点
- 定期発生する作業のスケジュール(締め日・月次処理など)
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引き継ぎのコツ:退職を伝えたらすぐに引き継ぎ書類の作成を開始しましょう。口頭だけの引き継ぎは後任者が困ります。Notionや社内Wikiに整理すると後任者が参照しやすくなります。引き継ぎの完成度が高いほど、スムーズな退職につながります。
5. 有給休暇の消化
有給休暇は労働者の権利です。退職前に残っている有給を全て消化することは法律上認められています。
有給消化のパターン
パターンA
引き継ぎ完了後に一括消化:引き継ぎが終わった時点で残日数を全て取得し、有給消化期間中に退職日を迎える。最もスムーズなパターン。
パターンB
分散して取得:週1〜2日ずつ有給を取りながら引き継ぎも並行する。業務が多い場合にとる方法。
注意
有給は退職後に繰り越せず、未消化でも原則として買い取り義務は会社にありません(退職時の買い取りは任意)。使い切れるよう計画的に動きましょう。
6. 社会保険・年金の手続き
退職日翌日から健康保険・厚生年金が失効します。空白期間を作らないよう、退職後14日以内に手続きを完了させましょう。
健康保険の3つの選択肢
① 任意継続保険
保険料:在職時の約2倍
退職前の健康保険組合をそのまま最大2年間使い続けられます。退職後20日以内に申請が必要。所得が高かった人向けに一般的にコスパが悪い場合も。
② 国民健康保険
保険料:前年所得に応じる
退職後14日以内に市区町村の窓口で手続き。失業して収入が激減する場合は減額申請が可能。任意継続より安くなるケースも多い。
③ 家族の扶養に入る
保険料:0円
配偶者や親の健康保険の扶養に入る場合は保険料が不要。条件は今後12ヶ月の収入見込みが130万円未満であること。
⚠️
国民年金の切り替えも忘れずに:退職すると厚生年金から国民年金に切り替わります。退職後14日以内に市区町村の窓口で手続きをしてください。収入がない場合は「保険料免除制度」(全額・半額・4分の1など)の申請が可能です。
会社から受け取る書類の確認リスト
- 離職票(雇用保険被保険者離職票1・2)── ハローワークで失業給付申請に必要
- 雇用保険被保険者証 ── 転職先の入社手続きに必要
- 源泉徴収票 ── 確定申告・転職先の年末調整に必要
- 年金手帳(自己管理していない場合) ── 国民年金切り替えに必要
- 退職証明書(必要な場合) ── 失業給付・扶養手続きに使用
7. 失業給付(失業手当)の受け取り方
転職先が決まっていない場合、ハローワークで失業給付を申請できます。働く意思と能力があるにもかかわらず就職できない状態の方が対象です。
失業給付の基本情報
給付額の目安
日額の50〜80%
退職前6ヶ月の賃金日額
給付制限期間(自己都合)
2〜3ヶ月
2024年改正で条件付き1ヶ月に短縮
受給期間(自己都合・一般)
90〜150日
雇用保険の加入期間に依存
ハローワークでの手続きの流れ
- 離職票を受け取る(退職後2週間程度で会社から郵送される)
- ハローワークで求職登録・失業給付申請(離職票・身分証・写真・印鑑・通帳を持参)
- 7日間の待機期間(全員対象)
- 給付制限期間(自己都合の場合は2〜3ヶ月、会社都合はなし)
- 認定日ごとにハローワークへ通い、求職活動報告をする
- 失業給付が振り込まれる(認定後1週間程度)
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転職先が決まれば受給終了:転職先に就職が決まった場合は「就職日」をハローワークに報告します。残りの給付日数が3分の1以上ある場合は「再就職手当」が支給されます。早めに転職先を決めるほど多くの再就職手当を受け取れます。
8. 退職時の完全チェックリスト
このリストを使って退職手続きの漏れを防ぎましょう。
【退職前】やること
- 転職先の内定・入社日を確定する
- 就業規則で退職申告の期限(何日前か)を確認する
- 直属の上司に退職の意思を直接伝える
- 退職届を作成・提出する
- 退職日・有給消化日程を会社と合意する
- 引き継ぎ書類・マニュアルを作成する
- 後任者・関係者への引き継ぎを完了する
- 社外の取引先・関係者へ挨拶メール・挨拶を行う
- 有給休暇の残日数を計算・消化計画を立てる
- 私物・個人データを持ち帰る(業務データは持ち出し禁止)
【退職当日】やること
- 社員証・健康保険証・PC・貸与物を返却する
- 会社のシステム・アカウントのパスワードを引き継ぐ
- 離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証の発行を確認する
- 最終給与・退職金の入金日を確認する
- お世話になった人に個別挨拶をする
【退職後】やること(14日以内)
- 健康保険の切り替え手続き(任意継続 or 国民健康保険 or 扶養)
- 国民年金への切り替え手続き(市区町村窓口)
- 転職先が決まっていない場合:ハローワークで失業給付申請
- 住民税の納付確認(退職月〜翌年5月分を自分で納付する場合あり)
- 確定申告の要否確認(転職先での年末調整が間に合わない場合)
9. よくある質問
就業規則に定められた期日(多くの会社で「退職日の1ヶ月前」)に従うのが基本です。法律上は民法627条により2週間前の申告で退職できますが、引き継ぎの観点からも1〜2ヶ月前に伝えるのがマナーです。転職先の入社日が決まったら逆算して退職日を決めましょう。
有給休暇は労働者の権利であり、退職前に消化することは法律上認められています。会社は「業務上の支障がある」として時季変更権を使えますが、退職前には業務の引き継ぎができれば変更できないため、実質的には消化できます。会社が拒否する場合は労働基準監督署へ相談できます。
退職後の健康保険は主に3つの選択肢があります。①任意継続保険(退職前の保険を最大2年間継続・保険料は在職時の約2倍)、②国民健康保険(前年所得に応じた保険料、退職後14日以内に市区町村窓口で手続き)、③家族の扶養に入る(年収130万円未満であれば保険料不要)。失業して収入が減る場合は国民健康保険が安くなるケースも多いため、両方の金額を比較して選びましょう。
失業給付の金額は退職前6ヶ月の賃金日額の50〜80%です(賃金が低いほど給付率が高くなる)。支給期間は雇用保険の加入期間や退職理由によって異なり、自己都合退職の場合は2〜3ヶ月の給付制限期間があります(2024年以降は条件によって1ヶ月)。会社都合退職(リストラ等)の場合は給付制限なしですぐに受け取れます。
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