📅 最終更新:2026年10月14日

エンジニアに将来性はある?
AIに仕事を奪われるのかをデータで解説

「エンジニアはAIに仕事を奪われる」という話を見て不安になっていませんか。公的な調査データをもとに、何が変わり、何が残るのかを整理します。

先に結論

  • 「エンジニアという職業がなくなる」ことを示すデータは見当たらない。公的な調査はむしろ、IT・DX人材が不足し続ける見通しを示している。
  • ただし、仕事の中身は大きく変わる。仕様が決まった実装のような定型的な作業ほどAIに置き換わりやすい。
  • 将来性を左右するのは職種名より「何を担うか」。課題設定・設計・AIを組み込む仕事は、むしろ需要が増える側にある。

データで見るエンジニアの需要

将来性を考えるとき、まず確認したいのは「需要が増えているのか減っているのか」です。公的機関の調査を見てみます。

IT人材は2030年に向けて不足する見通し

経済産業省が2019年に公表した「IT人材需給に関する調査」では、2030年のIT人材の需給ギャップが3つのシナリオで試算されています。

シナリオ2030年の不足数(試算)
低位(需要の伸びが小さい場合)約16万人
中位約45万人
高位(需要の伸びが大きい場合)約79万人

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)

よく引用される「79万人不足」は最も需要が伸びた場合の値で、確定した未来ではありません。 また2019年時点の試算であり、生成AIの普及はまだ前提に入っていません。 それでも、最も控えめなシナリオでも不足が見込まれている点は押さえておく価値があります。

企業の8割以上がDX人材の不足を感じている

情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2025」によると、日本企業の85.1%がDXを推進する人材が不足していると回答しており、米国・ドイツと比べて著しく高い水準です。 生成AIが広がった後の調査でも、技術を使いこなせる人材への需要は減っていません。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構「DX動向2025-AI時代のデジタル人材育成」

AIでエンジニアの仕事はどう変わるのか

需要がある一方で、仕事の中身が変わるのは確実です。IPAの同資料では、ICT分野の国際的な業界団体の見通しとして、9割以上のICT職種で、主要スキルの過半がAIによって変化するとする予測が紹介されています。

つまり問われているのは「エンジニアが残るかどうか」ではなく、「エンジニアのどの仕事が残り、どの仕事が置き換わるか」です。

仕事の種類AIとの関係理由
仕様が明確な実装・定型的なコーディング置き換わりやすい入力と出力がはっきりしている作業ほど、AIのコード生成が得意とする領域
テストコード・ドキュメントの作成AIの補助が進む人が書く量は減り、AIの出力を確認する仕事に変わっていく
要件定義・課題設定残りやすい「何を作るべきか」を決めるには、業務や利用者への理解が欠かせない
設計・アーキテクチャの判断残りやすいトレードオフを踏まえた判断と、その結果への責任が求められる
AIを業務やプロダクトに組み込む仕事新たに増えるAIの導入そのものがエンジニアの新しい仕事になっている

IPAの資料でも、AIに代替されにくい人間の感性や、上位の概念をデザインする力がITエンジニアに求められるという専門家の指摘が紹介されています。 これは上の表で「残りやすい」とした仕事の性質と重なります。

将来性を不安に感じたら、何をすればいいか

AIを避けるのではなく、まず仕事で使ってみる
コード生成やレビューにAIを使うと、何が任せられて何が任せられないのかが体感でわかる。不安の多くは、使ったことがないことから来ている。AI駆動開発の始め方
「書く」から「決める」側へ比重を移す
要件定義や設計、レビューの担当を少しずつ引き受けていく。実装の速さより、何を作るべきかを判断できることの価値が上がっていく。
需要が伸びている領域を知っておく
AI・データ・セキュリティに加え、顧客の現場に入ってAIを導入するFDEのような新しい職種も生まれている。

需要が伸びている職種

職種需要が伸びる背景
AIエンジニアAIを使った機能やサービスを作る仕事そのものが増えている
FDE(Forward Deployed Engineer)顧客の業務にAIを導入する、現場に入り込む実装役
DS(Deployment Strategist)技術と業務の両方がわかる人が、AI導入の推進役として求められている
フィジカルAI領域AIが画面の中から現実のロボットへ広がり、ソフトウェア人材が不足している

自分の経験がこれからどう評価されるか、確かめてみる

将来性への不安は、市場で自分のスキルがどう見られているかを知ると具体的になります。IT特化のエージェントに相談すれば、AI関連の求人動向や、今の経験から目指せる職種を教えてもらえます。転職するかどうかを決めていない段階でも利用できます。

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よくある質問

職業としてなくなることを示すデータは見当たりません。経済産業省の試算ではIT人材は2030年に向けて不足する見通しで、IPAの調査でも日本企業の85.1%がDX人材の不足を感じています。ただし仕様が明確な実装など定型的な作業はAIに置き換わりやすく、仕事の中身は変わっていきます。

まずAIを仕事で使い、何を任せられるかを体感することです。そのうえで、要件定義や設計、レビューなど「何を作るべきかを判断する」仕事の比重を少しずつ増やしていくと、AIに置き換わりにくい役割を担えるようになります。

経済産業省が2019年に公表した試算のうち、需要が最も伸びた場合の値です。中位シナリオでは約45万人、低位シナリオでは約16万人とされており、幅のある見通しです。2019年時点の試算で生成AIの普及は前提に入っていませんが、最も控えめな想定でも不足が見込まれています。

AIを使った機能やサービスを作るAIエンジニア、顧客の業務にAIを導入するFDE、技術と業務の橋渡しをするDSなど、AIの普及に伴って需要が生まれている職種があります。職種名より、課題設定や設計、AIの組み込みといった役割を担えるかどうかが重要です。

遅くはありません。AIがコードを書けるようになっても、出力が正しいかを判断し、どう組み込むかを決めるには、プログラミングの理解が必要です。ただし学び方は変わり、書き方を暗記するより、仕組みを理解してAIと一緒に作れる力が求められます。